1: リキラリアット(WiMAX) 2014/01/19(日) 12:06:35.89 ID:C+cKiEsB0 BE:4619463269-PLT(12001) ポイント特典
東北大学は、グラフェンを用いたデバイスの動作時における、相対論的量子力学に起因して発現する多体効果のナノスケール制御に成功したと発表した。

同成果は、同大 電気通信研究所の吹留博一准教授らによるもの。高輝度光科学研究センター、東京大学大学院工学研究科、東北大学 学際科学フロンティア研究所と共同で行われた。詳細は、「Scientific Reports」に掲載された。

蜂の巣状に配列した炭素原子からなるグラフェンは、直線的なバンド構造を有しており、グラフェン中の荷電キャリアは、シリコンなどのデバイス材料が従う量子力学ではなく、相対論的量子力学に従い、シリコンの100倍以上のキャリア移動度を有するなど、優れた電子・光物性を持っている。しかし、グラフェンを用いたデバイス、例えば、トランジスタの特性は、その理論値から予想される値を下回っている。

その大きな理由の1つとして、デバイスプロセスの未成熟さが挙げられる。さらに、もう1つの理由として、多体効果が挙げられる。

多体効果とは、多くの素粒子(電子・正孔など)間に働く相互作用を指す。その一例として、クーロン力により束縛された電子-正孔対(励起子)に働く相互作用(励起子効果)が挙げられる。多体効果は、グラフェン中のキャリアが相対論的量子力学に従うために顕著となる。
このことから、多体効果を無視した場合には一直線となるバンド構造に、多体効果に起因した折れ曲がりなどが生じ得ることになる。
このため、グラフェンの優れた物性、例えば、キャリア移動度は、多体効果により変調を受ける可能性がある。多体効果はグラフェンを用いた光デバイスや高速電子デバイスの特性を変化させると予想される。

【画像】
http://news.mynavi.jp/news/2014/01/17/350/images/001l.jpg
グラフェンの直線的なバンド分散構造

http://news.mynavi.jp/news/2014/01/17/350/index.html

(続く)
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