1: ◆SWAKITI9Dbwp @すわきちφφ ★ 2014/01/30(木) 10:55:49.27 ID:???
ダイヤモンドを用いて量子コンピュータの実現に不可欠な量子エラー訂正に成功
~量子情報デバイスの実用化・量子コンピューティングの実現に前進~
平成26年1月30日
国立大学法人 筑波大学
独立行政法人 日本原子力研究開発機構
独立行政法人 科学技術振興機構
ポイント
○室温での固体量子ビットの量子エラー訂正に世界で初めて成功
○量子コンピュータに必須の「エラー訂正」をしながら計算というエラー耐性を多量子ビットへ拡張可能
○実用的な固体量子情報デバイス開発への道を開く
量子情報は、環境からのノイズによってたやすく壊されてしまうため、量子エラー訂正なしには量子コンピューティングは実現しないと言われてきました。
国立大学法人 筑波大学(以下「筑波大学」という)磯谷 順一 名誉教授(筑波大学 知的コミュニティ基盤研究センター 前主幹研究員)、独立行政法人 日本原子力研究開発機構(以下「JAEA」という)量子ビーム応用研究部門 半導体耐放射線性研究グループ 大島 武 リーダーらは、ドイツとの共同研究により、室温での固体量子ビットの量子エラー訂正に世界で初めて成功しました。
ダイヤモンド中のカラーセンター注1)の1つであるNVセンター注2)の単一欠陥(単一分子に相当)を用いて、電子スピン注3)1個と核スピン3個からなるハイブリッド量子レジスタを作成しました。
これを用いて、室温動作の固体スピン量子ビットでは世界で初めて、量子エラー訂正のプロトコルの実証に成功したものです。
これは、量子情報デバイス、量子コンピューティングに必須の量子エラー訂正における大きなブレークスルーです。
この成果により、量子中継器など、実用的な固体量子情報デバイス開発、量子コンピュータの実現に向けて大きく前進しました。
本研究は科学技術振興機構(JST) 国際科学技術共同研究推進事業(戦略的国際共同研究プログラム)日独共同研究(ナノエレクトロニクス)「ダイヤモンドの同位体エンジニアリングによる量子コンピューティング」(日本側研究代表者:磯谷 順一 筑波大学 名誉教授、ドイツ側研究代表者:ウルム大学 Fedor Jelezko 教授)の一環として行われました。
本研究成果は「NATURE誌」2014年1月29付け掲載されます。
(詳細はリンク先をご覧ください)
JSTプレスリリース
http://www.jst.go.jp/pr/announce/20140130/index.html
【画像1】
http://www.jst.go.jp/pr/announce/20140130/icons/zu1.gif
図1 ダイヤモンド中のNVセンターの構造とエネルギー準位
NVセンターは、炭素を置換した窒素と隣接する格子位置の原子空孔とのペアーで電荷-1、電子スピンS=1をもちます。
有機色素なみに光を強く吸収し、赤色の蛍光を強く発光しますので、励起レーザー光(緑色)の焦点を小さなスポット(径~300nm)に絞り、その位置からの蛍光のみを観測できる共焦点顕微鏡を用いると室温で単一欠陥を観測することができます。
蛍光強度がスピン副準位(Ms=0,±1)に依存することを用いて、単一欠陥の単一電子スピンについてMs=0であるかMs=±1であるかを読み出すことができます。
光をあてることにより、室温でMs=0の状態にすることができます(光による初期化)。
【画像2】
http://www.jst.go.jp/pr/announce/20140130/icons/zu2.jpg
図2 ダイヤモンドの電子線照射・熱処理によるNVセンター作製
写真は住友電工が合成した天然存在比の結晶。
【画像3】
http://www.jst.go.jp/pr/announce/20140130/icons/zu3.gif
図3 ダイヤモンド中のNVセンターを用いた量子情報保持時間の長い核スピンと高速な量子操作・光による読み出しが可能な電子スピンを組み合わせたハイブリッド量子レジスタ電子スピンの初期化やスピンの読み出しには光を用います(蛍光の捕集効率を高めるためにソリッド・イマージョンレンズを用いました)。
核スピンの初期化には電子スピンとのSWAPゲートを用い、シングル・ショット読み出しで確認します。
スピンの量子操作には、周波数を選んだ(あるいは異なる周波数を組み合わせた)マイクロ波パルス、ラジオ波パルスをダイヤモンド表面に作成したコプレナー導波路を用いて外から加えます。
ハイブリッド量子レジスタはサブナノスケールの大きさです。高磁場(~620mT)を用いました。
Nature
http://www.nature.com/nature/journal/vaop/ncurrent/full/nature12919.html
~量子情報デバイスの実用化・量子コンピューティングの実現に前進~
平成26年1月30日
国立大学法人 筑波大学
独立行政法人 日本原子力研究開発機構
独立行政法人 科学技術振興機構
ポイント
○室温での固体量子ビットの量子エラー訂正に世界で初めて成功
○量子コンピュータに必須の「エラー訂正」をしながら計算というエラー耐性を多量子ビットへ拡張可能
○実用的な固体量子情報デバイス開発への道を開く
量子情報は、環境からのノイズによってたやすく壊されてしまうため、量子エラー訂正なしには量子コンピューティングは実現しないと言われてきました。
国立大学法人 筑波大学(以下「筑波大学」という)磯谷 順一 名誉教授(筑波大学 知的コミュニティ基盤研究センター 前主幹研究員)、独立行政法人 日本原子力研究開発機構(以下「JAEA」という)量子ビーム応用研究部門 半導体耐放射線性研究グループ 大島 武 リーダーらは、ドイツとの共同研究により、室温での固体量子ビットの量子エラー訂正に世界で初めて成功しました。
ダイヤモンド中のカラーセンター注1)の1つであるNVセンター注2)の単一欠陥(単一分子に相当)を用いて、電子スピン注3)1個と核スピン3個からなるハイブリッド量子レジスタを作成しました。
これを用いて、室温動作の固体スピン量子ビットでは世界で初めて、量子エラー訂正のプロトコルの実証に成功したものです。
これは、量子情報デバイス、量子コンピューティングに必須の量子エラー訂正における大きなブレークスルーです。
この成果により、量子中継器など、実用的な固体量子情報デバイス開発、量子コンピュータの実現に向けて大きく前進しました。
本研究は科学技術振興機構(JST) 国際科学技術共同研究推進事業(戦略的国際共同研究プログラム)日独共同研究(ナノエレクトロニクス)「ダイヤモンドの同位体エンジニアリングによる量子コンピューティング」(日本側研究代表者:磯谷 順一 筑波大学 名誉教授、ドイツ側研究代表者:ウルム大学 Fedor Jelezko 教授)の一環として行われました。
本研究成果は「NATURE誌」2014年1月29付け掲載されます。
(詳細はリンク先をご覧ください)
JSTプレスリリース
http://www.jst.go.jp/pr/announce/20140130/index.html
【画像1】
http://www.jst.go.jp/pr/announce/20140130/icons/zu1.gif
図1 ダイヤモンド中のNVセンターの構造とエネルギー準位
NVセンターは、炭素を置換した窒素と隣接する格子位置の原子空孔とのペアーで電荷-1、電子スピンS=1をもちます。
有機色素なみに光を強く吸収し、赤色の蛍光を強く発光しますので、励起レーザー光(緑色)の焦点を小さなスポット(径~300nm)に絞り、その位置からの蛍光のみを観測できる共焦点顕微鏡を用いると室温で単一欠陥を観測することができます。
蛍光強度がスピン副準位(Ms=0,±1)に依存することを用いて、単一欠陥の単一電子スピンについてMs=0であるかMs=±1であるかを読み出すことができます。
光をあてることにより、室温でMs=0の状態にすることができます(光による初期化)。
【画像2】
http://www.jst.go.jp/pr/announce/20140130/icons/zu2.jpg
図2 ダイヤモンドの電子線照射・熱処理によるNVセンター作製
写真は住友電工が合成した天然存在比の結晶。
【画像3】
http://www.jst.go.jp/pr/announce/20140130/icons/zu3.gif
図3 ダイヤモンド中のNVセンターを用いた量子情報保持時間の長い核スピンと高速な量子操作・光による読み出しが可能な電子スピンを組み合わせたハイブリッド量子レジスタ電子スピンの初期化やスピンの読み出しには光を用います(蛍光の捕集効率を高めるためにソリッド・イマージョンレンズを用いました)。
核スピンの初期化には電子スピンとのSWAPゲートを用い、シングル・ショット読み出しで確認します。
スピンの量子操作には、周波数を選んだ(あるいは異なる周波数を組み合わせた)マイクロ波パルス、ラジオ波パルスをダイヤモンド表面に作成したコプレナー導波路を用いて外から加えます。
ハイブリッド量子レジスタはサブナノスケールの大きさです。高磁場(~620mT)を用いました。
Nature
http://www.nature.com/nature/journal/vaop/ncurrent/full/nature12919.html
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